建築士会の会報「建築士」ですが、鵤(いかるが)工舎 小川三夫氏の話も面白かったです。西岡常一棟梁の唯一の内弟子だった方ですね。
(小川氏)「今は建築の法規が相当邪魔しますな。だからいじいじしてしまう」
具体的には何を指しているのか分かりませんが、仕事やりにくいでしょうねえ。
手抜き業者を想定して改正された今の法規は、レベルの低い方に合わせてますから、
建築はどんどんつまらなくなってしまう。世界の名建築の九割九分は、日本で造れないんじゃないでしょうか?法規の問題で・・・。(半分酔ってるので、この数字に責任は持てません)
(小川氏)「法隆寺の五重塔のような1300年もっているものがなんでダメなの。そこらをちょっと見直さないと、大胆なものもできない」
五重塔なら適合性判定にまわされて、関係者(判定者)からは『触らぬ神に祟りなし』ってことで突き返されて、お金だけとられて「はい。さよなら〜」となりますねえ。文明が衰亡する時に立ち会っているようで、寂しくなってきます。
少し戻って
(小川氏)「感性を磨くには、奈良で生活しなくちゃならんですな。あそこにいると自然と身に付いてくる・・・」
以前、造園家の明貫厚氏も「京の大工棟梁と七人の職人衆」笠井 一子 (著) の中で似たようなことを言っていたと思います。なるほど。骨董の修業にも似ているような気がします。
「鵤工舎の仕事 長泉寺建立記」 2008年12月出版

↑善徳寺 山門 (足利市) 小川三夫氏、鵤工舎によるものです。