建築士会の会報で
「建築士」というものがあります。ふだんは殆ど読まないのですが、正月号は非常に面白かったです。まず会長の藤本昌也氏との対談における巽和夫(たつみ かずお)京大名誉教授の発言です。
「(前略)最近は超高層マンションが流行っています。デベロッパーは付加価値を高めて儲けようとしているだけですから、経済至上主義が典型的に現れている。でも、区分所有の超高層マンションがこれから数十年たったらどうなるかと、悲惨なことになると思います・・・」
やっぱりそう思いますよね。マンションを購入される方は良く考えてから買われた方が良いと思います。でもマンションを買われる人は、余計なこと(?)を言う建築の専門家などとは出会うことのないまま買われてしまうケースが多いのでしょうね。超高層マンションの見晴らしや陽光は魅力的ですから、やっぱり「欲しい!」と思われる。
しかし超高層マンションを「所有」すると、のちのち子供やお孫さんがその管理責任を問われかねないので、解体費用等を工面できる別種の資産をセットで残しておいた方が良さそうです。あるいは適当な時期に売却してしまうのでしょうか・・・。
最近テレビ東京のWBSを見ていると、よく「コンパクトシティー」という言葉を言っています。縮小する地方都市、郊外は、今のままだとインフラの維持管理ができなくるというような特集を過日放送しておりました。良い特集だったと思います。超高層マンションも同じ理屈で(区分所有者の経済的縮小)維持管理できなくなる恐れがあると思うのですが、流れているCMを見るとそんなことは言えません。
「建築士」の鵤工舎、小川三夫さんの特集はまた後日に・・・。
補足)コンパクトシティー:学生時代、大西隆先生が良く話していたような記憶があり、懐かしいです。大西先生は私のようなよその研究室の人間にもビールを振る舞ってくださる心の広い方です。(でも都市はコンパクト)