外断熱で重要なのは熱容量です。
コンクリート造(RC造)など、熱容量の大きな構造は熱をたくさん蓄えることができます。外断熱RC造で熱をたくさん蓄えておけば、室内の温度は安定します。
つまり、夏、外気温が上がっても家の中はヒンヤリしたままですし、冬に外気温が下がっても家の中が急に冷えることはありません。
外断熱RC造の建物は、一度暖まると冷めにくい土鍋(どなべ)のようなものです。
それに対して木の熱容量はあまり大きくありません。だから木造の外側を断熱材で包んだだけでは、外断熱RC造の様な効果は期待できないのです。
では、木造とRC造がどれくらい熱容量(J/K)が異なるか気になりますね。
下図のような住宅プラン(延床32坪)をモデルに概算してみました。
RC造の概算では壁、床などの厚さを20〜30cmとしています。
理科年表の数値より、木材の比熱は1.2 [J/gK]、コンクリート の比熱は0.8 [J/gK]とします。さらに木材の比重は0.45 [g/cm3] コンクリートの比重は2.3 [g/cm3]とします。
結果は
木造の場合の熱容量 約740万 [J/K]
RC造の場合の熱容量 約15000万 [J/K]( 1億5000万[J/K] )
となりました。桁が2つ違います。RC造の場合の熱容量は約20倍です。
熱容量に関して木造とRC造では全く次元が異なると言えるでしょう。
繰り返しになりますが、
「木造の外側を断熱材で包んだだけでは、外断熱RC造の様な効果は期待できない」と言って良いでしょう。(こんな概算でも結構時間がかかりました)