ブルネレスキの
オスペダーレ・デッリ・イノチェティ(捨子養育院)は、細いコリント式オーダーの上層に「壁による面」があり、「開放的な回廊」と上下の対比が鮮やかです。石造でありながら実に軽やかな印象を受けるのです。(あの列柱によって囲われた前面の広場は実に素晴らしいものです)
しかしそれにしても、古今東西の宗教関連施設には、列柱による回廊が数多くあります。これはもちろん単なる偶然ではないでしょう。
建築のファサードに備えられた回廊は、人々を優しく誘い、強い日射しや雨から守ってくれます。また視覚的には、建築の外縁部を開きながら囲むことで、実に豊かな空間を生み出します。
仏教寺院が母体となり運営する昭和保育園に、列柱による回廊は実にふさわしいと私は考えています。


